加齢臭は何歳くらいで発生するの?
加齢臭が一番キツく臭うのは何歳くらい?ピークはどれくらい?
人によって一概には言えませんが、大体の「加齢臭」と「年齢」の関係を知っておけば、ご自身の体臭が加齢臭であるのかどうかの判断材料になります。
また、代表的な体臭として、「ミドル脂臭」「加齢臭」がありますが、それぞれ対策方法が異なります。
まだ加齢臭が発生する年代ではないな、と判断できれば、ミドル脂臭を疑い、体臭の種類に合わせて正しい対策をとることができます。
この記事では、加齢臭と年齢の関係、ピークがどれくらいなのかなどを詳しくご紹介しています。
加齢臭が発生する年齢
加齢臭は一般的に40歳を過ぎたころから発生すると言われています。
もともと、加齢臭は、わたしたち女性が一度はお世話になったことがある資生堂によって発見された体臭で、同社の研究によると、加齢臭の原因物質である「ノネナール」の発生は、40歳を過ぎた頃から増え始め、その後、年齢とともに増加傾向にあることがわかっています。
もし、ご自身やご家族の体臭が加齢臭かも!?と悩んでおられても、加齢臭ではなくミドル脂臭である可能性もあります。
30代〜の体臭はミドル脂臭である可能性が高く、40代では、ミドル脂臭か加齢臭かの判断をした上で対策をとる必要があります。
加齢臭のピークは?
加齢臭は、40歳を過ぎた頃から発生し始めるというのはわかりました。
これは男性・女性に関わらず、男女ともに同様です。
では、加齢臭のピークはどうでしょうか?
残念ながら、加齢臭の発生ピークについての文献を見つけられず、確実な情報がありません。
しかしながら、面白い文献がありましたので、ご紹介したいと思います。
加齢臭を発見した資生堂さんの論文からご紹介します。
2-Nonenal Newly Found in Human Body Odor Tends to Increase with Aging(The Journal of Investigative Dermatology, Vol.116,4,520-524)
加齢臭の原因物質「ノネナール」の年齢別検出量
上記論文では、被験者は22人の健常者で、年齢は26〜75歳、男性は13人、女性は9人に対して、加齢臭の原因物質であるノネナールがどれくらい検出されるか調査されています。
論文に掲載されていたグラフを引用します。
被験者の数が少なく、まとめられている分布グラフは平均値ではなく、被験者22人それぞれのノネナールの検出量なので、年齢による平均的なピークを見出すのが難しいものになっています。
それでもはっきりとわかるのは、40歳より前ではノネナールが検出されていない点です。
40歳未満のグループでは、ノネナールの検出が0%、40歳以上のグループでは69%の人にノネナールが検出されています。
先ほどご紹介した、一般的に加齢臭が発生すると言われる年齢が40代以降というのは、この資生堂さんの資料が根拠であることがわかりますね。
被験者それぞれのはっきりとした年齢はわかりませんが、分布グラフを見る限りでは、40歳未満の人が9人、この9人からはノネナールが検出されず、40歳以降の人が13人で、このうち9人からノネナールが検出されているように見て取れます。
(正確な数字が記載されているわけではありませんので、多少のゆらぎがある可能性をご承知おきください。)
ここで、資生堂さんのサイトに載っていたグラフを引用させていただきます。
先ほどの文献では、ノネナールの検出分布グラフに、被験者の性別がありませんでしたが、資生堂さんのHPでは男性・女性が分けて掲載されています。
画像の左側が資生堂さんのホームページ掲載グラフで、右側が文献掲載グラフです。
年齢ごとのノネナール検出量をもう少しわかりやすく表にしてみました。
40歳未満の場合は検出していないのが大体分かるため、40歳以降の分布を見てみます。
女性の年齢別ノネナール検出量
40代前半/女性 | 0 |
---|---|
50代前半/女性 | 2〜4 |
60代前半/女性 | 0〜2 |
60代半ば/女性 | 4〜6 |
75歳/女性 | 10〜12 |
男性の年齢別ノネナール検出量
40代前半/男性 | 0 |
---|---|
40代前半/男性 | 0 |
50代前半/男性 | 0 |
50代前半/男性 | 4〜6 |
60代前半/男性 | 6〜8 |
60代前半/男性 | 0 |
60代半ば/男性 | 0〜2 |
70代前半/男性 | 0〜2 |
サンプル数が少ないとはいえ、こうやって見てみると、男性も女性も変わらず加齢臭の原因物質が発生していることがよくわかります。
非常に面白いのが、
- 女性は加齢にするにつれ、加齢臭が強くなっていく傾向
- 男性は50代、60代がピークでその後、加齢臭が弱くなっていく傾向
が見られることです。
これらの数値は、あくまでも平均値ではなく、被験者それぞれ個人の数値であるため、たまたまこのような傾向が出ただけかもしれませんが、女性は40代を過ぎたら、ずっと加齢臭のチェックと対策をする方が良さそうですね。
女性も加齢と共に加齢臭が強くなる
女性の場合、女性ホルモンの減少により体内の抗酸化作用が衰えはじめ、脂肪酸と活性酸素の増加がおこります。
そして、加齢とともに活性酸素も増え、脂肪酸を更に過酸化脂質に変えてしまいます。この脂肪酸と過酸化脂質が、臭い成分に変化してしまいます。
加齢臭の原因物質は「ノネナール」であり、体内で増えた脂肪酸「9-ヘキサデセン酸」と、「過酸化脂質」が毛穴から分泌され、肌の表面に残り、普段は肌のバリア機能を担っている常在菌によって分解され、臭い成分の「ノネナール」に変化し臭いを発するのです。
ノネナールは脂性で、衣類に付着すると更に酸化して臭いを放つことになります。
個人差はあるものの、35歳頃からゆるやかに女性ホルモンの減少、抗酸化作用の衰え、ストレスの増加や加齢で活性酸素が増えて、ますます加齢臭が生まれやすい体質へと変化していきます。
・抗酸化作用が衰える→体内で活性酸素が増える
・活性酸素が増える→体内で脂肪酸と結びつき過酸化脂質に変える
加齢は、悲しいかな、私たちの見た目だけでなく、体内を大きく変化させ、分泌物も変え、体臭をも変えてしまうのです。
活性酸素を増やし過ぎない生活を
活性酸素はわたしたちが酸素を取り入れる呼吸の際にも発生する物質で、身体に入ってしまった細菌やウイルスを殺菌する重要な役割もあります。
加齢臭の側面から見るとまるで悪でしかないように思いますが、わたしたちの体には必要なものなんですね。
私たちの体には、増え過ぎた活性酸素は、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼと呼ばれる体内で合成される酵素によって無害化されます。
ところが、加齢によって、この酵素を合成する力も衰えてしまいます。
だから、加齢による様々な問題が出てきてしまうんですね。
この酵素の合成を助けるのが、β-カロテン、ビタミンE、ビタミンCなどです。
これらが含まれる食品をバランスよく摂ることで活性酸素の無害化に貢献できます。
食事で摂るのが面倒であれば、加齢臭対策として販売されているサプリメントを活用するのも一つの手です。
「加齢臭対策にβ-カロテンいっぱい摂らなきゃ!ビタミンEもCも!!」って躍起になってメニューを考えるのにストレスになってしまうのは、活性酸素を増やしてしまう元で、本末転倒です。
加齢臭の原因物質である「ノネナール」そのものの抑制には、「コエンザイムQ10」が有効であることが資生堂の研究で分かっています。
サプリメントで親しまれている酸化型・還元型のどちらのコエンザエムQ10も同じように摂取前と比べて2~3割ノネナールの減少が見られたため選び方が難しくなく、β-カロテン、ビタミンE、ビタミンCのサプリをそれぞれ良いものをリサーチの上購入して飲むより断然お手軽です。
14日お試しで500円でCMで有名なカネカさんのカネカのコエンザイムQ10という商品がありましたので、合う合わないがあるので、こういったお試しで「コエンザイムQ10ってどんなのかな?」と一度試しに飲んでみると良いかもしれません。ワンコインいいですよね。
疲労感にもコエンザイムQ10は良いので、加齢臭だけでなく、加齢に伴う悩みも解消してくれそうです。
活性酸素を生み出す原因は、これまで説明した加齢の他に「ストレス」「無理な運動」「偏った食事」「飲酒」「喫煙」「過剰な紫外線」等です。
加齢臭だけでなく、活性酸素が増えることで「脳梗塞」「心筋梗塞」「動脈硬化」等の重病に至るケースもありますので、加齢臭対策は健康対策としても有効です。
ご自身の加齢臭で悩んでおられるのではなく、奥様やご主人様、お母様やお父様の加齢臭で悩んでいらっしゃるのなら、ぜひ、ストレスを与えないように、「臭い!!」と突き放すのではなく、そっとサポートしてあげてくださいね。