足は臭いものだと当たり前のように認識しているけれど、実際のところご自身の足がどうして臭いのか、知りたいですよね?
足がどうして臭くなるのかの原因を知ることができれば、それぞれの原因の元に対して一つ一つに丁寧に対処可能になります。
原因が分かればニオイの対策方法がわかって、その結果、忌まわしい足の臭いとさよならすることができるんですよ。
サンダルを履けばぬるぬる滑り、サンダルにも関わらず、靴を脱げば黒い垢のようなものが付き、健康サンダルでさえ臭くて履けなくなり、人前で靴を脱ぐなんてこと恐ろしくてできないほど足が臭かった私ですが、現在はあの足独特のツンと広がる攻撃的な臭いはなくなりました。
どうしても裸足で吐くサンダルで過ごした日は、鼻を近づけて嗅ぐと埃っぽいニオイはしますが、これは「嗅ごうとしないと臭わない匂い」ですので気にするだけ無駄です。
原因を知って、それぞれ対応したことで足が臭くなくなるという結果を得ることができました。
これからご説明する、足が臭くなる理由の一つ一つ、あなた自身に心当たりがないか確認しながら読み進めてみてください。
それぞれの理由に対して対応策もご紹介していますので、ご参考いただければ幸いです♥
足が臭くなるメカニズム
汗で足が臭いと思っている方も多いのですが、”汗そのもの”には臭いはほとんどありません。
ですが、汗と足のニオイは切っても切れない関係で、ニオイを発生させるのは汗そのものではありませんが、汗も足のニオイに関係しています。
そしてもう一つ、足のニオイと切っても切れない関係なのが足の角質や皮脂。
こちらもそのものには悪臭ありません。
どちらも、そのものは悪臭ではないのに、足から悪臭がするのは菌が関係しています。
足のニオイの直接的な原因は、汗でも皮脂でも角質でもなく「菌」によるものです。
足のニオイの直接的な原因は「菌」
- 皮膚常在菌
- 汗(+汗による蒸れ)
- 角質・皮脂
の3つが複合的に組み合わさることで臭いニオイが発生する。
足のニオイが発生するメカニズムを分かりやすくすると、下記のようになります。
- 足に汗をかく
- 汗によって角質や皮脂が汗によって流れる
- 菌の餌になる
- 菌が代謝が活発化・増殖
- 原因物質「イソ吉草酸」が発生して臭くなる
この菌の代謝によって発生するのが、足のニオイの原因物質「イソ吉草酸」です。
イソ吉草酸の読み方は「イソきっそうさん」です。「きちそうさん」ではなくて、「きっそうさん」と読むのが正解です。
足のニオイに悩んでネット検索をしたことがある方なら一度は目にしたことがある名前ですね。
足の臭いを発生させるのは菌
まずはじめに、大前提として、足のニオイの原因は「菌(皮膚常在菌)」によるものです。
その菌はどこからやってくる?
「菌」というとなんか怖い、何かに感染したようなイメージを持ちますが、ここでいう足臭についての菌は、皮膚常在菌のことで、特別な菌ではなく健康な人の皮膚に必ず存在する菌のことです。(大腸菌などをイメージすると分かりやすいと思います。常にお腹にいますが普段は悪いことをしません)
皮膚常在菌には表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌をはじめ、様々な菌が存在していて、その種類や数は地域環境・生活習慣などによって異なります。
菌が原因であるならば、除菌すればいいんじゃないの?と安易に思ってしまいますが、通常、肌に存在している菌には、お肌を悪玉菌から守るという側面もあります。
むやみやたらに除菌することで、害となるカビ菌が増殖してしまったりすることもあるため、逆に問題となるケースもあります。
常在菌は保ちつつ、不要に菌を増殖させずバランスを安定させるのが、最も安全で効率的な一番の方法です。
では、その「バランス」を保つにはどうしたら良いでしょうか?
それは、菌が好む環境を遠ざけるのが有効です。
菌が好む環境を遠ざけ、菌の代謝を抑えることができれば、イソ吉草酸の発生も抑えることができます。
菌が繁殖するためには環境(汗による高温多湿)と餌(角質や皮脂)が必要
足のニオイの原因になるのは「菌」ですが、この菌は高温多湿を好みます。
菌が好む環境「高温多湿」に足元がなる状況ってどんな時でしょうか?
それは「汗をかいたとき」ですね。
では菌にとっての「餌」とは何でしょうか?
答えは、古くなった「角質」や「皮脂」です。
もっと詳しく見ていきましょう。
足の発汗量はとても多い
足の裏には汗腺がたくさんあり、一般的な体質の方でおおよそ、1日200ccの汗をかくと言われています。200ccというと、コップ一杯くらいと思っていただけると分かりやすいです。
また、靴やストッキング、靴下などを履いて過ごす足の裏は、全身の中でも比較的蒸れやすい状況に置かれています。
足に溜まった角質や皮脂が汗によって流れることで雑菌の餌に
汗とともに流れた皮脂や角質、汚れをエサにして繁殖を繰り返します。この時に臭いの原因となる物質が作られて、あの独特な嫌な足の臭いにつながります。
足が臭くなる原因を知ったら対策は簡単
足が臭くなる原因はをまとめると、
- 臭いは菌によるもの。ただしこの菌はもともと肌にいる常在菌
- 汗による蒸れによって高温多湿となり菌が繁殖しやすい環境になる
- 汗によって皮脂や角質が流れ出て菌が繁殖しやすい環境になる
- 菌が代謝・繁殖する時に嫌なニオイが発生する
になります。
このことから、どんな対策かできるだろうか?と考えると、答えは簡単に出ますよね♪
汗へのアプローチ、蒸れへのアプローチ、皮脂や角質へのアプローチで、菌が繁殖しやすい環境を打破すればいいんです。
具体的な対策を見ていきましょう。
足の汗を抑える
足の汗を抑えることで、足のニオイは随分よくなります。
足の汗が多い人は足臭で悩んでいる場合が多く、汗対策をすることで足臭から解放されることが多々あります。
先天的に足の汗の量が多い場合、自律神経の乱れによって汗が多くなってしまっている場合、季節的なものなど要因は様々です。
「急に足が臭くなった」場合などは、ストレスなどによって自律神経が乱れて足の汗が多くなっている可能性があります。
足用の制汗クリームやスプレーを利用した対策が有効です。
病的に足の汗が多い場合は、皮膚科に行って相談するのが一番早いです。
皮膚科での多汗症の治療では汗を抑える効果がある塩化アルミニウムが入りのクリームや水溶液が処方されます。
皮膚科で処方されるものでなくても、デオドラント製品で塩化アルミニウムが入っているものは結構ありますので、試してみるのも良いでしょう。
(成分には「アルミニウムクロリッド」と書かれていることが多いです)
塩化アルミニウム入りの制汗剤は就寝時に塗って使うのが一般的です。
塩化アルミニウム入りの制汗剤は極めて制汗効果が高く、その分刺激が強いので、肌が弱い方は荒れてしまう可能性もありますので肌の弱い方は注意が必要です。
一番有名な塩化アルミニウムが配合されている製品はデトランスα(デトランスアルファ)でしょう。
ワキガの方によく使われるシリーズですが、手足の汗用もあり、これが足臭で困っている人に非常に評価が高いのです。
医療先進国デンマークで常に人気のデオドラント「デトランスα」の手・足用。
有効成分が汗を作り出す汗腺に直接働きかけ、汗の分泌を抑え、ニオイをシャットアウト。
毎晩寝る前に手・足に塗って使うので、朝の忙しい時にケアする時間がない人に向いています。
肌が弱い方は、塩化アルミニウムが使用されていない、パウダーで制汗するタイプのものを使うと良いですよ。
刺激の強い成分が入っていない「足サラ」という製品がおすすめです。
マイクロパウダーミストで制汗する、スプレータイプの足用制汗スプレーです。
朝や気になる時に使うタイプのものなので、前持って使っておく必要のある塩化アルミニウム系のものよりも手軽です。
こういった制汗剤でもなんともならない生活に支障があるほどの足の汗は、多汗症(足蹠多汗症)の可能性があり、皮膚科で相談するのが良いでしょう。
塩化アルミニウムの処方による治療や、イオントフォレーシス(※)、ボトックス(ボツリヌス菌)注射などの治療が受けられます。
(※)イオントフォレーシスとは?
汗の多い手のひら、足のうらを水道水の入った容器の中に浸し、10~20mAの直流電流を流す方法です。手のひらを主な治療部位にする場合は手のひらを陽極にし、足のうらを陰極にします。電極の上にスポンジを乗せ、手のひらを密着させ手足が水に沈んでしまわない程度に水道水を入れます。1回30分の通電を8~12回行うと汗の量が減ってきます。治療効果を維持するためにはその後も1週間に1~2回行ったほうが良いでしょう。保険診療が可能ですが、通院困難な方には米国製の家庭用(ドライオニック)がインターネットで購入できます。問い合わせ先(http://www.drionic.com)を併記いたしました。
作用機序として通電することにより生じる水素イオンが汗の出口を障害して汗を出にくくするのではないかといわれております。腋窩の多汗症には治療方法が難しく効果的ではありません。
蒸れを減らす
どうしても足は蒸れてしまいやすい場所。
靴や靴下の素材をきちんと選ぶことで、蒸れを減らすことができます。
蒸れを防ぐ靴の素材
パンプスの場合は合皮素材のものは通気性が悪いので選ぶなら本革製のものを選びましょう。
スニーカーであれば、比較的どの素材も通気性は良いですが、キャンパス地のものやメッシュのものなど通気性の良いものを選ぶようにしましょう。
その他、あまり履くことはないと思いますが、通気性の悪い素材として、ビニールやゴム製のものは避けましょう。
また、もう一つ重要なこととして、同じ靴を毎日履かないことも重要です。
乾きやすい素材であれば問題ないのですが、足汗による蒸れや湿気が残った状態で同じ靴を履き続けることは異臭の元です。
通気性の良い本革製の靴は足臭の対策に最適ですが、きちんと乾燥させないとカビの元にもなります。
しっかりと乾かす期間を設けると、雑菌が消滅し履いた直後から臭いが発生するリスクが減らせます。
しっかりと乾かしてから履くようにしましょう。
梅雨時やブーツの中など乾きにくい環境にある靴には、靴用の除湿シートなどを使うのも良いですよ。
蒸れを防ぐパンストや靴下の素材
靴の素材をきちんと選んでも、靴下の素材によっては台無しになってしまいます。
靴下やパンストの素材もきちんと選びましょう。
ストッキングはナイロン繊維やポリエステル繊維のものが多く、通気性も悪く吸水性にも劣るので臭いが発生しやすいのです。職種によってはストッキングを履くことを避けられないことも多いですよね。
そんな時は、ストッキングそのものに吸水機能を持たせたものや、ストッキングを履く前に装着する消臭指ソックスを使用したり、靴に吸水パッドをつけるなどの工夫がおすすめです。
靴下の場合は、化学繊維のものより吸水性の良いコットン100%のものを選ぶと良いです。
形状は、指の間もしっかりと汗を吸収してくれる5本指ソックスが最もおすすめです。
また、最近では繊維そのものに消臭機能を持たせたものも販売されているのでそういったものを利用するのも良いでしょう。
そして、可能であれば1日のうち、ずっと同じものを履き続けるのではなく、新しい洗濯したものと履き替えるようにすると臭いが抑えられます。
その際に、足にデオドラントスプレーでケアしたりデオドラントシートで拭いてから履き替えると更に効果的です。
1日の1つの靴下しか履かないという固定概念を捨てるのも重要な足臭対策です。
ご存知の方も多い、消臭力に優れたヌーラ。
足臭の原因物質イソ吉草酸の消臭率97.9%、アンモニア臭99.5%と非常に高い消臭力を持つヌーラ。
臭ってから消臭するのではなくて、臭う前に使用して、衣類や布製のものをまるで消臭機能付きのようにできちゃうスプレー。
消臭効果がある靴下や靴を探さなくてもヌーラがあれば、今おうちにある靴下に消臭効果を持たせることができる便利グッズです。
布製品全般に使えるのでワキガの方にも人気のスプレーです。
足に溜まった角質ケア・爪のケアをする
汗によって流れ出た角質や皮脂を餌にして雑菌が増えてしまうので、足を普段から清潔にしておくことも足臭対策に有効です。
汗を洗い流すことはもちろんですが、古い角質や皮脂も落とすことで菌の餌がなくなり菌の代謝が活発になることを抑えることが可能だからです。
また、足を洗っても臭いという場合は、角質や爪の間に溜まった汚れに臭いの元が定着(染み付く)している可能性があります。
染み付いた臭いと、さらに新しく発生した臭いのダブルパンチにならないためにも角質ケアをしっかりしましょう。
角質ケアをしっかりして、爪の間に溜まったゴミは専用ブラシまたは歯ブラシなどで綺麗にお掃除して清潔にしてください。
角質ケアで軽石やヤスリを使った場合は、しっかりと保湿をするようにしましょう。
ミョウバン水で足浴するのも足臭におすすめですよ。
ミョウバンを使った足臭ケア
まとめ
足の臭いは、正しい汗のケアと角質のケアでほとんどの場合良くなります。
原因と対策方法を知れば「なんだこんなに簡単だったのか」と思いませんでしたか?
- 汗のコントロールは制汗剤で
- 湿気のコントロールは素材と吸水と乾燥
- 角質のコントロールは普段のケアで
ほんのちょっとのことで、足の臭いは対策できますので「こんなにひどい臭いだから何してもダメだ・・」と諦めずにやってみてくださいね♪