ミドル脂臭は、30歳代後半から40歳代後半のミドル世代に多く見られる、脂っぽいニオイであることから「ミドル」と「脂臭」を合わせて「ミドル脂臭」と名付けられました。
このミドル脂臭と呼ばれる体臭の原因を発見し、名付け親でもあるのが、CMでもお馴染みの「マンダム」さんです。
頭部を中心とした、独特の体臭の原因物質が発見されたことから、一気に「ミドル脂臭」という言葉がメジャーとなりました。
ミドル世代と呼ばれる30歳代後半から40歳代後半の方は「マンダム」と言ってパッと想像がつかなくても「ギャッツビーつけてカッコつけて〜」というCMソング?を聞けば「あっ!あれか!!」とわかっていただけると思います。
2018年現在でいうと男性、女性ともに、「ルシード(LUCIDO)」と言えばわかりやすいかもしれません。
あまり知られていませんが、マンダムさんは大阪市中央区に本社があります。
数々のパンチの効いたCMは大阪のお笑い文化が生んだものなのかもしれませんね。
この記事では、マンダムさんが発見し、名付けた「ミドル脂臭」が一体何であるかを詳しくお伝えしたいと思います。
30代後半から40代後半がミドル脂臭世代。20代でも注意が必要
ミドル脂臭は、30代後半から40代後半のミドル世代と呼ばれる世代を中心としてみられることから、ミドル脂臭となづけられましたが、実際には、年齢に関わらず、20代でもミドル脂臭がしてしまう人もいます。
ミドル脂臭は、汗の中の乳酸が皮膚常在菌によって、ジアセチルと呼ばれるミドル脂臭の原因物質に変化することが直接的な原因です。
このジアセチルの発生が、ちょうど30代後半から40代後半にかけてピークになることから、この年代に多く見られます。
また、ミドル脂臭は、原因物質であるジアセチルと皮脂が混ざることで更に悪臭を放つようになりますが、この皮脂も30代頃から加齢とともにドロドロとしたものに変化し、毛穴に残りやすくなることから、30代以降はクサくないかチェックをしておくことをおすすめします。
臭かったとしても、対策ができて、ニオイに対して安心を買うことができるのでかなりおすすめです。
ミドル脂臭かどうかを判断する材料として、ミドル脂臭がどんなニオイであるか、確認しておきましょう。
ミドル脂臭はどんなニオイ?
ミドル脂臭のニオイは、よく「使い古した油のニオイ」と表現されることがあります。
お料理をする女性であれば、オイルポットに取っておいた油が酸化して、嫌なニオイがした経験もあるかと思います。
あのニオイを更にキツくしたものがミドル脂臭だと思っていただいて差し支えがありません。
ミドル脂臭の原因物質であるジアセチルは、発酵食品に含まれるニオイ成分でもあります。
チーズやヨーグルトなど、日本のものはニオイの調整されています(好まれないため)が、海外のものは日本のものに比べてきついニオイがします。
日本人はもともとジアセチル(ミドル脂臭)のニオイが苦手なのかもしれません。
ご主人が臭いとお悩みで、ミドル世代ど真ん中であれば、おそらくそれはミドル脂臭です。
後ほど詳しくご紹介しますが、加齢臭は多くの場合50歳代以降にみられる体臭です。
ミドル脂臭と加齢臭はニオイの原因成分が異なり、加齢臭よりもミドル脂臭の方が数倍不快なニオイを発し、むせるような、オエェっとなるような、油っぽく、どろっとしたような重たいニオイがするのがミドル脂臭。
タンスを開けた時のような乾いたニオイがするのは、加齢臭です。
ミドル脂臭の感受性は男性よりも女性の方が強い。男女ともに気がつかない鈍感な人もいる
ミドル脂臭を発見したマンダムさんの研究結果から、ミドル脂臭に対する感受性は、男性よりも女性の方が強く、男性は気づきにくく、女性は気づきやすい傾向にあることがわかっています。
また、男女に関わらず、一定の割合で、ミドル脂臭そのものに気づかない、ミドル脂臭に鈍感な人も存在します。
これは、加齢臭や足のニオイのもとイソ吉草酸では見られない傾向です。
これは「自分がミドル脂臭がしていることに気づいていない」可能性があるということです。
ミドル脂臭のニオイの強さは加齢臭やイソ吉草酸に比べて強く、「スメハラ」とされるその多くがミドル脂臭によるものです。
不快なニオイ1位の座を譲らないそのクサさは、ハラスメントと認識され、嫌われます。
男性がミドル脂臭への感受性が弱いことから、自分がクサイと気づかず、本人の気がつかないところで、スメハラをし続けるというなんとも悲しい事態が起こってしまいます。
男性がある程度クサイのはなんとなく「しょうがない感」がありますが、女性によるスメハラは、男性によるそれよりも、指摘がしづらく、とても悲惨です。
筆者はミドル世代ど真ん中なのですが、もし、自分がミドル脂臭を発していたら指摘して欲しいな・・と願いますが、自分に置き換えた時、「くさいよ」なんて人になかなか指摘しづらいですよね。
人に体臭を指摘してもらいにくい女性がミドル脂臭が出ていないかをセルフチェックするには、少し値段は張りますが、体臭チェッカーを使用するのがおすすめです。
ミドル脂臭は体のどこから発生する?
ミドル脂臭は、主に頭頂部から後頭部、首の後ろ、背中にかけて発生します。
ミドル脂臭は主に頭部に集中しているため、頭皮ケアをすることでかなりの対策になります。
嫌なニオイNo1ではありますが、部位が限られていて更に対策も容易なので、ミドル脂臭がしていることにさえ気がつくことができれば、ミドル脂臭は怖くありません。
耳の後ろのニオイはミドル脂臭ではない可能性
耳の後ろをこすった時にクサいことありませんか?
ミドル脂臭だと思われがちな耳の後ろのニオイですが、実は、ミドル脂臭の原因物質であるジアセチルは耳の後ろからは発生していません。
年齢が50代以降であれば加齢臭の可能性、そうでなければ、皮脂によるニオイの可能性大です。
耳の裏は皮脂が多く分泌される場所で、更に洗い漏れが生じやすい箇所でもあるため、悪臭となっていることが考えられます。
耳の周辺をクンクンと嗅いだ時に臭うのは、年齢によってミドル脂臭だったり加齢臭だったりする場合もありますが、ピンポイントで耳の裏をこすって臭うのは多くの場合、皮脂臭で、耳の裏を重点的に洗ったり、都度、拭くようにすれば良いでしょう。
ミドル脂臭と加齢臭は全く別のもの!
加齢を感じ出す、30代後半から40代後半にかけてミドル脂臭が多く見られることから、枕や洋服が臭くなると「加齢臭がする・・・」と勘違いしてしまいがちですが、加齢臭は多くの場合50代以降に始まる体臭です。
ミドル脂臭と、加齢臭は、その原因物質が異なっています。
ミドル脂臭の原因物質は「ジアセチル」。
加齢臭の原因物質は「ノネナール」。
その発生メカニズムも異なっています。
ミドル脂臭の原因物質ジアセチルの発生メカニズム
ミドル脂臭は、汗の中の乳酸から、皮膚常在菌の代謝によって段階的に物質が変化していき、最終的にジアセチルになります。
加齢臭の原因物質ノネナールの発生メカニズム
加齢臭は、加齢によって皮脂腺にあるパルミトレイン酸という脂肪酸が増加し、過酸化脂質が皮脂と混ざって分解・酸化することでノネナールが発生します。
ミドル脂臭と加齢臭は、その発生の元となる物質から、ニオイの原因となる物質も全く異なります。
このため、ミドル脂臭と加齢臭の対策は全く別のアプローチが必要です。体臭に対して正しいアプローチをして予防・対策をするには、現在の体臭が何であるかを把握することもとても大切です。
人によってミドル脂臭と加齢臭をニオイで判断しづらい
ミドル脂臭のニオイは比較的わかりやすいのですが、加齢臭は、古いタンスのニオイや古い紙、ろうそくといった、「乾いたニオイ」で表現されることもあれば、ミドル脂臭の表現と同じように「酸化した油のようなニオイ」と感じる人もいます。
判断がなかなか難しいところではありますが、おおよその目安を年齢で覚えておくと判断がつきやすくなります。
- 30代〜40歳代後半にかけて・・・ミドル脂臭
- 50代を超えたら・・・加齢臭
20歳代でもミドル脂臭がする場合もありますし、40歳代で加齢臭がする場合もありますのであくまでも目安にしてください。
個人差があることなので、体臭チェッカーなどを利用して、ニオイの原因を突き止めると対策がしやすくなります。
ミドル脂臭の原因物質「ジアセチル」について
ミドル脂臭のニオイの原因物質は、ジアセチルと呼ばれる物質です。
ジアセチルの発生元は汗、ミドル脂臭はジアセチルと皮脂が混ざったニオイ
ミドル脂臭の原因物質はジアセチルは、汗中の乳酸が、皮膚常在細菌の「黄色ブドウ球菌(S.aureus)」と「表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)」の代謝によって、物質が時間とともに変化していき、最終的にジアセチルになります。
ジアセチル単体でも悪臭ですが、ミドル脂臭の主な発生部位である頭皮のニオイの元である皮脂中の中鎖脂肪酸と混ざることで更に悪臭になります。
ジアセチルの発生は抑制できる!
ジアセチルは、植物エキスで抑制できることがマンダムさんの研究でわかっています。
抑制効果があった植物エキスは、「カンゾウエキス」「ケイヒエキス」「クスノハガシワエキス」の3つです。
特に、「クスノハガシワエキス」「カンゾウエキス」が効果が高く、ミドル脂臭の対策におすすめの成分です。
ミドル脂臭の原因成分「ジアセチル」とは?その発生メカニズムは?
ミドル脂臭の対策と改善には、頭皮環境の改善が近道
マンダムさんの研究によって、ジアセチルは、植物エキスで抑制できることがわかっているので、抑制成分が配合されたヘアスプレーや頭皮美容液などのヘアケア用品を利用することで、すでに汗をかいていても対応することが可能です。
ヘアスプレーなどは、朝・昼・夕と、好きな時に使えるミドル脂臭対策として利用できます。
そして、同時に大切なのが、頭皮の皮脂ケアをし、正しいシャンプー方法によって頭皮環境を良い状態で保つことです。
ミドル脂臭の原因は、ニオイの原因物質「ジアセチル」と皮脂中の中鎖脂肪酸とが混ざることなので、頭皮の皮脂ケアも非常に重要です。
正しいシャンプーをしていないことで、シャンプー剤が頭皮に残り、毛穴に皮脂が詰まっているかもしれません。
洗浄力の強すぎるシャンプーで頭皮の皮脂を落としすぎているのが原因で、逆に皮脂の分泌が多くなっているかもしれません。
正しい頭皮ケアを行って、ミドル脂臭のしない素敵なカラダになりましょう♪