アルコールとミドル脂臭
30代・40代に入ってから、体臭が気になったり、人から指摘されることが増えたと言う場合は「ミドル脂臭」である可能性があります。
加齢と共に発するにおいと言うと加齢臭を想像しがちですが、一般的に加齢臭は50代以降に発生するものであり、30代・40代で体臭がキツくなったのであればそれは ミドル脂臭である可能性が高いです。
加齢臭の原因成分は「ノネナール」であるのに対して、ミドル脂臭の原因成分は「ジアセチル」であるため、基本的に加齢臭とミドル脂臭は別物と考えて良いでしょう。
因みにジアセチルは、乳酸が皮膚上のブドウ球菌によって分解・代謝した時に発生する成分で、単体でも嫌な臭いがしますす。この成分と酸化した皮脂が混ざることで更に悪臭を放つようになります。
そんなミドル脂臭ですが、アルコールが原因で発生するケースがあります。
アルコールは適量を守ることができればそれほど問題はなく、血行促進などに効果もあるため決して悪いばかりのものではありませんが、飲み始めると気分が良くなってついつい過剰摂取をしてしまうと言う人は少なくありません。
お酒の飲み過ぎは様々な健康トラブルを引き起こします。
体臭にも悪影響を及ぼしますので注意が必要です。
お酒が血行不良の原因に?
先ほど「お酒には血行促進効果がある」と記述したばかりですが、実はお酒を飲むことで血行不良が起こることもあります。
お酒を飲むと血行が促進されるのは事実ですが、それはあくまで一時的なものに過ぎません。
お酒を飲んだ直後は身体がポカポカして温かかったけれど、暫くしたら寒気を感じたことがあると言う人は多いですよね。
これはアルコール摂取から一定時間たつと血管の収縮が始まり、血行が阻害されるためです。そして血行不良になると乳酸が発生し、汗から排出されて、ミドル脂臭のにおいの原因成分ジアセチルを作り出してしまうのです。
内臓機能低下とミドル脂臭
アルコールを摂取すると血行不良になるのは前項で説明した通りですが、それだけでは終わりません。
最後には内臓機能低下も招きます。
このケースで着目したいのは肝臓です。肝臓はアルコールを分解する臓器であるため、お酒を飲んでアルコールを摂取すると活発に動いてアルコールを分解しようとしますが、一方で肝臓には乳酸をブドウ糖に変えると言う重要な役割があります。
乳酸をブドウ糖に変える働きを持つのは肝臓だけであるため、肝臓には身体中の乳酸が運ばれてきます。
通常であれば特に問題はないこれ等の働きですが、アルコールを摂取すると肝臓がアルコール分解にかかり切りになってしまう上に、アルコールを分解した際に輩出される毒素・アセトアルデヒドも肝臓で分解しなければならないため、一層負担が増えてしまうのです。
アセトアルデヒドも悪臭の原因
アルコールを分解する際に排出される毒素・アセトアルデヒドですが、実はこれも悪臭の原因です。
元々アセトアルデヒドをはじめとするアルデヒド系は強い刺激臭がするのですが、特にお酒をたくさん飲んだ翌日はそれが顕著になります。
前日に飲み会などでお酒を多量に飲んだ人がいつもと違うにおいがするのはそのためです。アセトアルデヒドはにおいの原因が違うため、直接ミドル脂臭と関係するわけではありませんが、悪臭と悪臭が混じり合うことで一層不快なにおいになって周囲に嫌な顔をされると言うことも少ないため、日頃からミドル脂臭にお悩みの方はお酒やアルコールは控えた方が良いでしょう。
お酒が悪臭を放つ身体を作る
お酒を飲んでアルコールを摂取することで、一時的に血行は促進されますが、その後血管の収縮が始まると血行不良になります。
またアルコールを分解している過程で血中酸素が不足し、ミドル脂臭の原因である乳酸がたまりやすくなるため、ミドル脂臭を発生させやすくなってしまいます。
加えてアルコール分解中に刺激臭がするアセトアルデヒドを肝臓で分解しなくてはならなくなり、内臓機能が低下し肝臓に負担がかかるため、乳酸をブドウ糖に作り替える機能も低下します。
汗腺の衰えにも注意
ミドル脂臭は排出される汗に混ざって乳酸が出てくることで起こりますが、通常、汗腺のろ過機能がきちんと働いていれば、汗によって排出される乳酸の量はごく微量となってミドル脂臭も抑えることができます。
ところが、汗腺機能が衰えていると、ろ過機能がしっかりと働かず、汗に混ざって乳酸がたくさん排出されてしまいます。
お酒で内臓機能が低下した上に、汗腺の衰えもあれば目も当てられない状態になる可能性があります。
汗腺の衰えは汗腺トレーニングをすることで、ろ過機能を正常にしさらさらの汗をかけるようになりますので、汗がベタベタしていたり、臭うといった場合は汗腺トレーニングを試してみてください。
お酒はどれくらいなら飲んでも良いの?
身体に負担がかからない飲み方をするためには、まずお酒の適量を知ることが重要です。
お酒と一口に言ってもビールや日本酒、ワイン、缶酎ハイなど種類は様々で、ものによってアルコール度数も変わるため、一概に「ここまで」と定めることはできませんが、居酒屋で多く飲まれるビールは500mlが適度な量であると言われています。
また日本酒であれば180ml、焼酎は110ml、ワイン180ml、缶酎ハイは520mlで、お酒の中でも特に度数が強いウイスキーは60mlです。
お酒好きの方からすると「ちょっと少ないな」と感じるかも知れませんが、本来人の身体に負担がかからないアルコール量とはこんなものなのです。また、お酒が弱いと自覚している人は更に少ない量に抑えておいた方が良いです。
アルコールは適量であれば血行促進効果もあり、悪いばかりのものではありません。しかしそれはあくまで適量の場合で、飲み過ぎは免疫力低下や代謝能力低下も招くため、十分に気をつけましょう。大事なのは「適量」を守ることですね。
飲むなら赤ワインがおすすめ!
赤ワインに抗酸化作用があるのは有名ですよね。
有名スポーツ選手がその抗酸化作用を活用するために、毎日1杯の赤ワインを飲んでいるというのを選手の奥様がお話しされていました。
プロのスポーツ選手といえば、お酒やタバコはご法度に思っていたのですが、赤ワインにはプロをも納得させる作用があるということですね。
抗酸化作用があると言うことは、サビからくる体のあらゆる不調をこれ以上進めないことが期待できる上、体臭の面でもメリットは大きいのです。
お酒が大好きであっても、どっぷりとお酒に浸かるのではなく、適量を、そして可能であれば赤ワインをグラス1杯程度飲むことをおすすめします。どちらにしても飲み過ぎはよくありませんので、適量を心がけてくださいね^^