ミドル脂臭には様々な原因が潜んでいますが、今回は「栄養バランスの乱れ」の観点から、どんな食べ物がミドル脂臭に悪影響で、どの食べ物がミドル脂臭の予防や改善に良いのかについてご紹介します。
30代、40代の女性を悩ませるミドル脂臭
ミドル脂臭は加齢臭よりも不快なにおいと言われるほど、強烈なにおいを発します。
ミドル脂臭のニオイの原因物質は「ジアセチル」という物質なのですが、ミドル脂臭を発見したマンダム社の嗅覚閾値(どれくらいの量でその臭いを感じるかの数値)調査では、このジアセチルのニオイはにんにくの臭いと比べると約4倍、臭いを認知できる強さをミドル脂臭は持っているということがわかっています。
このジアセチルという物質と、酸化した皮脂が混ざることでミドル脂臭が発生し、ジアセチル単体よりもさらにヒドいニオイを発することがわかっています。
ミドル脂臭の原因物質「ジアセチル」はどんなもの?
ジアセチル自体は最初から身体にあるわけではありません。
皮膚上の常在菌が汗に含まれる乳酸をエサにして代謝・分解するときにジアセチルが発生し、ここに皮脂臭(中鎖脂肪酸)が混ざることでさらに悪臭となってニオイを放ちます。
中鎖脂肪酸はいわゆる「頭皮のにおい」の原因ですが、揮発性の匂いではなく、周囲に匂いを撒き散らすような決して強いにおいではありません。
ミドル脂臭の原因物質はジアセチルという物質ではあるものの、そもそもジアセチルが発生する原因は、汗に含まれる乳酸であり、そこに酸化した皮脂が混ざることで悪臭度が増してしまうんですね。
これらのミドル脂臭の発生メカニズムから分かるのは、身体の内側からできることは、
- 汗に含まれる乳酸を減らす
- 皮脂のコントロールと酸化防止
といったことが根本的な解決になるということです。
ミドル脂臭の発生場所は、主に頭部を中心に発生し、広範囲に出る場合は背中から首の後ろ、耳の裏などになります。
ミドル脂臭を体の外側から物理的に解決する方法は、これらの場所をシャンプーやスプレーなどでしっかりとケアすることです。
特にシャンプーには気を使い、正しいシャンプーを基本として、ミドル脂臭に対応したシャンプー選びをすることで、即効性のある対策が可能です。
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女性のミドル脂臭の原因と予防・対策
この記事では、ミドル脂臭を内側から根本的に解決を図る方法として、食生活からミドル脂臭を考えることもできることをお伝えしていきます。
ケアをしていなくても、ミドル脂臭に悩まされる人がいないことを考えると、体質的なことはもちろんあるとしても、ミドル脂臭に悩まされている私たちには、少なからず生活習慣や、食生活が影響している可能性があります。
少し前置きが長くなってしまいましたが、ここからは、ミドル脂臭の悪化につながる食べ物や食生活をご紹介したいと思います。
ミドル脂臭と食べ物
どうしたらミドル脂臭を抑えることができるのか、その秘密は食べ物にもあります。
においと食べ物、すぐにはピンとこないかも知れませんが、実は密接に絡み付いているのです。
ミドル脂臭を抑えるためには、まず皮脂を過剰に分泌させず、正常な皮脂バランスを保つことが重要になります。
栄養バランスが偏った食事は、皮脂の分泌が不安定になり、皮脂環境が悪くなる一因です。
野菜を食べず肉類中心の食事になっている方や、脂質・糖質に偏った食事をしている方は特に気を付けましょう。
この食べ物はミドル脂臭に悪影響!
ミドル脂臭の改善を根本から意識するなら、気を付けなければならない食べ物があります。
それは何と言ってもお肉類。
元々動物性タンパク質には身体を酸性にする働きがあり、そうなると自然と体臭が強くなってしまいます。
ミドル脂臭をはじめ体臭を気にしている方は、お肉中心の食事は避けて野菜や穀物を中心に摂取するようにしましょう。とは言え、健康な身体を作る上で動物性タンパク質は欠かすことができないものであり、お肉も適量ならば決して悪いものではありません。
肉類を食べる場合は、脂身や脂肪分が多い部位は避けて赤身肉や、鶏のささみがおすすめです。
また、ミドル脂臭ケアのためには脂質もできるだけカットしたいところなので、油をたっぷり使用して作られている揚げ物は控えるようにしましょう。コンビニ弁当やファミレスでの外食も脂質・カロリー共に高く、ミドル脂臭の悪化に繋がりやすいので要注意です。
最後に注意したいのが、お酒です。社会人になると、付き合いの上でどうしてもお酒を飲まなければならない場も増えてきますが、アルコール成分を大量に摂取すると肝臓での分解が十分にされず、アンモニアが過剰発生して体臭悪化の原因になります。
発している体臭が油っぽい臭いではなくて、アンモニア臭であれば、それは「疲労臭」である可能性があります。
疲労臭の原因は肝臓や腎臓の機能低下によってアンモニアが分解できず、汗と交じって発生するにおいのことで、もしこのにおいがしたら生活習慣病の直前であると考えて良いでしょう。
暴飲暴食や過度のアルコール成分の摂取が原因であることが多いので、生活習慣病の予防を心掛け、健康的な生活を送るよう生活習慣を改めることをおすすめします。
ミドル脂臭の対策・改善に役立つ食べ物
ミドル脂臭を改善するなら、体臭悪化の原因となる肉類や脂質、糖質などはできるだけ避けた上で、改善に役立つ食べ物を食事に盛り込むようにすることが重要ですが、中でも特に意識したいのは「ビタミン」が豊富に含まれている食べ物です。
特に野菜は健康を維持する上でも欠かせないので、積極的に献立に盛り込むようにしましょう。
なお、一口にビタミンと言ってもその種類は様々ですが、ミドル脂臭に特に効果があると言われているのは「ビタミンB1」です。
ミドル脂臭の予防に!ビタミンB群と食べ物
ビタミンB1は人間の体内で生成することができない栄養なので、どうしても不足しがちになってしまいます。
意識的に食事やサプリメントで摂取するように心がけましょう。
後ほど、ビタミンB1を豊富に含む食べ物をご紹介しますね。
まずは、ミドル脂臭と、ビタミンB1不足の関係をご紹介します。
ビタミンB1の不足とミドル脂臭の関係
ビタミンB1は水に溶ける性質を持つ水溶性のビタミンの1つであり、糖質からエネルギーを作る働きや、皮膚・粘膜の維持をサポートする効果がある栄養です。
一昔前まではビタミンB1が不足すると「脚気(かっけ)」と言う病気の原因になり、多くの日本国民を苦しめました。
そもそもビタミンB1に限らずビタミン群は不足しがちな栄養としても知られておりますが、いずれも健康を保つ上では欠かせない栄養なので積極的に摂取するよう心がけましょう。
特にミドル脂臭とビタミンB1は密接な関係にあります。
ビタミンB1は肝臓機能をサポートする栄養であり、ビタミンB1が不足すると肝臓が正常に働かなくなってしまい、ミドル脂臭のいやなにおいを発する根本的な原因とも言える乳酸を上手く分解できなくなってしまうのです。
ミドル脂臭の発生メカニズムの根本原因は乳酸
下記記事で詳しく解説していますが、ミドル脂臭は、汗に含まれる乳酸を餌に、皮膚の常在細菌が代謝・分解されて、ミドル脂臭の原因物質である「ジアセチル」を発生させ、このジアセチルと、酸化した皮脂が混ざることで発生します。
ビタミンB1が不足するとこの乳酸を分解することができず、さらに汗腺が衰えていれば、汗腺によって汗がろ過されず乳酸が汗に混ざって排出されることになります。
ビタミンB1をはじめとするビタミンB群は非常に重要な役割を持っていながら、体内で生成することはできません。
そのため、不足しがちなビタミンB1を効率的に摂取するならば、やはりビタミンB1が豊富に含まれている食べ物を食べるのが一番です。
ビタミンB1を豊富に含むおすすめの食べ物
- 豚肉(ロースよりヒレ肉やもも肉)
- 豆類
- レバー
ビタミンB1が豊富に含まれている食べ物で、おすすめは米のヌカ部分をはじめとする穀類のはい芽や、豚肉、レバー、豆類です。
中でも豚肉はビタミンB1が豊富な以外に、献立に取り入れやすいと言うメリットがありますよね。
日頃料理で使用するお肉を豚肉に切り替えるだけでもビタミンB1不足を解消する一助になるでしょう。
食品分析表によると、豚肉でも、ロースよりもヒレ肉やの方がビタミンB1は多く含まれていて、その他の食品と比べると、私たちが1度の食事で食べる量で見た場合、より多く取り入れられるのが豚ヒレ肉でした。
また、豆類で言うと、納豆も取り入れやすく、ビタミンB1の摂取でミドル脂臭に良い影響が期待できるだけでなく、納豆のネバネバ成分に含まれる「ポリグルタミン酸」という成分は、保湿効果や唾液の分泌量を増やすと言われており、ドライマウスによる口臭にも良い成分とされています。
テレビの健康番組などで納豆は何かと取り上げられますが、それくらい、私たちの健康に良い食べ物ということなんですね。
納豆はミドル脂臭、口臭両方にアプローチできるミドル世代にありがたい食材なんですね。
ただ、豚肉に比べると、一度の量で採れるビタミンB1は少なめです。
成人女性(18〜49歳)の推奨摂取量は1.1mg
成人男性(18〜49歳)の推奨摂取量は1.4mg
豚ヒレ肉 | 0.98 |
---|---|
豚もも肉 | 0.90 |
生ハム(長期熟成) | 0.90 |
乾燥大豆 | 0.83 |
たらこ | 0.77 |
うなぎ(かば焼) | 0.75 |
豚ロース肉 | 0.69 |
豚肩ロース肉 | 0.63 |
豚ひき肉 | 0.62 |
豚ばら肉 | 0.54 |
鶏レバー(肝臓) | 0.38 |
豚レバー(肝臓) | 0.34 |
牛レバー(肝臓) | 0.22 |
納豆 | 0.07 |
見ていただくと、納豆100g中に含まれるビタミンB1の量は豚肉や乾燥大豆に比べて非常に少ないことがわかります。
大抵、市販のパック納豆は1パック40〜50gなので、1パックで得られるビタミンB1は微々たるものです。
1日の中で、成人女性であれば1.1mgのビタミンBが採れるよう、1日を通して調整できると良いですね。
見落としがちなクエン酸
クエン酸に疲労回復効果があることは有名ですが、実はミドル脂臭に対しても効果があります。
一見関係なさそうなクエン酸とミドル脂臭は、どのようにして結びついているのでしょうか?
そもそも疲労の原因とも言えるのが疲労物質・乳酸ですが、乳酸自体がミドル脂臭の嫌なにおいを発するわけではありません。汗に含まれている乳酸が皮膚上の常在細菌であるブドウ球菌に取り込まれ、代謝分解をし皮脂と混ざるって放つのが、あの嫌なにおい「ミドル脂臭」なのです。
そもそも、汗に含まれる乳酸が少なければミドル脂臭は発生しないということなんですね。
クエン酸にはクエン酸回路の働きを活発にすることで、乳酸を分解させる効果があります。
乳酸を抑えることはミドル脂臭を軽減させることにつながるので、クエン酸を十分に摂取することでミドル脂臭の改善に繋がるのです。
クエン酸が含まれる食べ物
- お酢
- レモン・グレープフルーツなどの酸っぱい柑橘系の果物
- パイナップル
- 梅干し
クエン酸はお酢やレモン・グレープフルーツなどの酸っぱい柑橘系の果物、パイナップル、梅干しなどに豊富に含まれています。
見て分かる通り、酸っぱい食べ物ばかりです。クエン酸を摂取したいけれど酸っぱいものが苦手と言う人は、はちみつやお砂糖で酸っぱさを緩和して食べると良いでしょう。
食生活を見直してバランスが良い食事でミドル脂臭の対策・予防
ミドル脂臭が気になる方は、頭皮の改善(シャンプー選びなど)を同時進行で、食事の見直しを行うことで、内側外側両方からミドル脂臭対策ができることでより効果を感じやすくなります。
ビタミンB1の栄養をしっかり摂っているか、クエン酸も取り入れられているかの確認はもちろんですが、この他にも肉類が中心の食事になっていないか、野菜はちゃんととっているか、間食や夜食をとることが多くはないか、アルコールを過剰に摂取していないかをよく考えてみてください。
においは非常にデリケートな問題で、本人の意思ではどうしようもないところもある悩みですが、だからこそ自分で改善できるところはしっかり改善するようにしたいですね。
食事だけでは不足しがちな栄養はサプリメントで
毎日しっかり自炊をしても、どうしても不足してしまう栄養が出てきてしまいます。また、食事量も人によって違うため、どうしても必要量に届かないこともあるでしょう。
そのような時に役に立つのがサプリメントです。
近年では不足しがちな栄養をサプリメントで補うことはすっかり当たり前となり、各メーカーが様々なサプリメントを販売しています。ビタミンB1やクエン酸が食事だけでは足りていないと感じたら、サプリメントに頼るのも良いでしょう。
何よりも大切なのは、ストレスを感じないこと。
どれだけ食事を気をつけても、ストレスは汗の成分にも悪い影響を与えます。取り憑かれたように、必死に豚肉豚肉!!クエン酸クエン酸!!となってしまうと逆にストレスになってしまいますので、ご自身のペースで、無理なく、リラックスしながら、「少し気をつける」くらいでいで生活を見直してみてください。
「ミドル脂臭にはビタミンB1がいいんだな、ビタミンB1は豚肉に多く含まれてるんだな。それと、油っぽい食事は悪影響になるんだな。」ということを知っただけでも、お肉を選ぶときに、今日は豚肉にしてみようかな・・・といった変化が少しでもあればミドル脂臭の解決に一歩前進です♪
ミドル脂臭の改善に良い食べ物のご紹介は以上です。
ミドル脂臭は、汗に含まれる乳酸が根本原因なので、汗の質をよくすることもミドル脂臭の改善に繋がります。
汗腺のろ過機能をしっかりと働かせるための、汗腺トレーニングもあわせて取り入れてみてください。
その他、ミドル脂臭に関する情報は、当サイトのミドル脂臭関連カテゴリーをご覧ください♪