毎月家族で予防歯科に通っている我が家ですが、口臭が気になると担当の歯科衛生士さんに相談したところ、簡単にできる口臭対策を教えてもらいました。
口臭の原因は様々で、大きく二つに分けると、口の中そのものの環境が原因となるものと、胃や体調が原因となるものです。
歯科衛生士さんが教えることができる範囲は、口の中そのものの環境が原因となっている口臭に対する基本的な口臭対策で、胃から来るものなどはまた別のアプローチが必要です。
この記事では、お口のお手入れでできる口臭対策をご紹介します。
虫歯が原因
まず、一番最初にチェックすべき項目は、虫歯がないかどうか。
虫歯が原因の口臭は、とてもクサイく、普通の口臭とは違って、独特のニオイがします。
また、虫歯が原因の口臭と言っても、原因は様々で、虫歯に食べ物が詰まって、繁殖した菌によって腐敗して悪臭のガスが出ることによってクサイ場合もあれば、虫歯を放置しすぎて、虫歯が進行してしまい、神経が腐敗したことによって悪臭が強くなることもあります。
また、虫歯で化膿することで悪臭がすることもあります。
虫歯は早期発見、早期治療をすれば、最小限に食い止めることができます。
定期的に歯医者さんに行って、チェックをしてもらうことをライフスタイルに取り入れてみてください。
特に、予防歯科に力を入れていて、歯科医師だけでなく、歯科衛生士さんが複数人いるような歯科医院がおすすめです。
歯の磨き方や、磨き残しがある場所などを丁寧に教えてくれます。
虫歯のチェックと、虫歯の予防をしていきたい旨、受け付けで伝えれば、しっかりとした対応をしてもらえます。
歯周病が原因
病院で治療してもらうべき口臭の原因として、次に多いのが歯周病です。
虫歯と違って自覚症状がわかりにくく、気が付いていない人も多くいるのが歯周病です。
セルフチェックとしては、口臭が気になる点以外に
- 朝起きた時に口がネバつく
- 歯を磨くと歯茎から出血する
- 歯が長くなったような気がする
- 歯茎がピンクじゃなくて赤い
などが挙げられます。
歯茎が痛かったりといった自覚症状がないので気が付いていない人がほとんどだそうです。
歯周病になると、歯茎が上に上がっていき、二度と元に戻ることがありません。
前歯の場合は特に歯茎が上に上がっているのが目立ち、歯だけが長くなって見えるようになります。
徐々に変化するので、本人は気づかず、歯が長くなったと感じた時にはもう遅いのです。
歯医者さんに定期的に通って入れば、常にチェックをしてくれますので、めんどくさがらずに口臭対策も兼ねて、予防歯科に通うようにしてください。
歯垢が原因
一番臭いのチェックがしやすいのが歯垢による口臭かもしれません。
つまようじなどで歯についている白いものをとってニオイを嗅いでみてください。
とても臭くありませんか?
つまようじについた歯垢を手の指につけて、水分を飛ばすように指と指でこすり合せると、さらにそのニオイがよくわかります。
この歯垢(プラーク)は菌の塊だと思ってください。
歯垢(プラーク)の中に、10億個の最近が住み着いていると言われていて、上記に挙げた口臭の原因ともなる、「虫歯」「歯周病」の原因になります。
歯垢そのものもクサイ、そしてその上、虫歯や歯周病の原因にもなるんです。
歯垢は正しい歯磨きで落とすことができます。
歯磨きで歯垢をきっちりと処理することができれば、虫歯も歯周病も予防することができます。
歯と歯茎の間の歯垢をしっかりと落とす
予防歯科でいつも言われるのは、
- 歯ブラシの当て方
- 歯を磨く時は鏡を見ながら歯ブラシがちゃんと当たっているか見ながら磨く
- デンタルフロスを使ってブラシが入らない歯の間・歯と歯茎の間の歯垢をとる
- 大きな隙間のある箇所(ブリッジをしている箇所など)は、歯間ブラシを使って磨く
といったことです。
特に、デンタルフロスを使って歯と歯茎の間を磨くことは強く指導されます。
歯と歯茎の間は、歯ブラシだけでは汚れが落としきれずに口臭・虫歯・歯周病の原因になりやすいそうです。
しっかり歯磨きした、と思った後にデンタルフロスを使うと、歯と歯茎の間(歯茎のスポット)の歯垢がまだ出てくる、なんてことは日常茶飯事です。
デンタルフロスを出したり切ったりする一手間が面倒な場合は、コスパは悪いですが、糸ようじを使うと楽でいいですよ。
糸ようじを選ぶ時は、糸がしっかりばらけるようなものを選ぶのがコツです。
1本の糸だと、汚れをからめとれないので、フロスをかけているうちに糸がバラバラとなるようなものがおすすめです。
デンタルフロスや糸ようじで歯垢を落とすコツ
デンタルフロスや糸ようじを使って歯垢をしっかり落とすコツは、歯茎の中まで掃除をするつもりで糸を這わせることです。
歯の間だけをお掃除しても意味がありません。歯の生え際にフロスを入れて、前後にこすります。
力を強く加えると、歯茎を痛めますので、優しくお掃除します。
ブリッジ(差し歯)などをしている場合は歯間ブラシを使って
歯ブラシでは届かないところをデンタルフロスを使って掃除をしますが、歯ブラシ、デンタルフロスを使っても落とせない歯垢もあります。
歯と歯の隙間が空いていたり、差し歯などでブリッジをしている箇所などは、ブラシが届きにくく、またフロスでは細すぎて掃除ができなかったり、ブリッジ箇所ではフロスそのものが通せません。
そういった箇所は、歯間ブラシを使ってしっかりと磨きましょう。
歯間ブラシにもサイズが色々とあって、隙間に合わせたものを使用するのがセオリーです。
狭い隙間に大きい歯間ブラシを入れてしまうと、歯茎を傷つけてしまいますので、隙間にあったものを使用するようにしましょう。
また、よくある、ゴムタイプの歯間ブラシはあまりおすすめできません。
滑りが悪く、ブラシそのものが荒いため、汚れが落としきれません。
また、角度がついていない歯間ブラシもおすすめできません。
L字型のものを選びましょう。
隙間の多くは奥歯に集中することが多く、歯間ブラシに角度がないとしっかりとお掃除することができないためです。
GUMのものがサイズバリエーションも多く、一番おすすめです。
歯石になった歯垢は歯医者さんで落としてもらう
歯石取りは痛いという風潮があって嫌がる人も多いのですが、予防歯科であれば、患者が痛みで予防歯科でのチェックを嫌がるようになったら予防に繋がらないことから、「痛くない治療」をしているところがほとんどです。
歯科衛生士さんによって、荒っぽい・ソフトな感じと、当たり外れはありますが、総じて虫歯治療のように痛いものではありませんので、怖がらず歯石取りに行きましょう。
歯石は歯の表面のように滑らかではなく、ガタガタとしていますので、その隙間にさらに最近が入り込んで歯周病や虫歯を悪化させる可能性があります。
舌苔が原因
結構盲点だけど、とても多いのが舌苔による口臭。
舌磨き、きちんとしていますか?
舌苔が臭くないかチェックするのは、歯垢をチェックするのと同じでとても簡単。
舌苔を爪でこすって取って、指の腹をこすり合せるようにして少し感想させてから臭いを嗅いでみてください。
舌をよく観察してみるとわかるのですが、舌の表面は毛羽立ったようなザラザラしたものがあると思います。
これは糸状乳頭と行って、食物を舐めとりやすくする役割があります。
また、葉状乳頭といって、舌の後部側面にある粘膜ヒダなんかも組織として存在しています。
凸凹としているので、どうしてもここにいろんな汚れが溜まってニオイを発します。
この汚れを、舌苔専用のブラシでお手入れすることで、舌による口臭の対策が可能です。
舌ブラシを購入する際は、初心者さんは、ソフトなあたりのものを使用してみるのをまずおすすめします。
舌磨きは、力を入れすぎて舌を痛めてしまうと、そこから細菌が入ってしまうなどのリスクがあります。
あくまでもソフトに汚れを優しく落としましょう。
多少力加減がわからなくて強くこすってしまっても、舌を怪我しないのが、上記のようなソフトタイプのものです。
力加減がわかって慣れてきたら、だんだんと物足りなくなってくると思います。
その際は、しっかりと汚れを落とす毛がたくさんついたブラシタイプがおすすめです。
極細毛を使用していて、ソフトな毛のついたブラシを選びましょう。
舌を磨く際は、決して強くこすらないようにしてください。
舌磨きで舌が綺麗になった目安は、舌についている白い色が薄くなったらいいくらいです。
コーヒーやタバコを吸う人は、舌も色素沈着を起こします。
一度の舌磨きで色が取れないからといって、取れるまでゴシゴシするのは避けましょう。
毎日、きちんと舌磨きを続けていくうちに、色素が落ちていきますので、焦らず優しく続けてみてください。
【えづかない舌苔対策】舌の汚れをごっそりとるマウスウォッシュ
外出先の舌苔ケア
食事のあとにきちんと口をゆすぐことで、だいぶマシにはなりますが、完全に口臭が消える訳ではありません。
出先などで、舌磨きをできない時は、ザラザラとしたタブレットを舐めるのがおすすめです。
フリスクなど、小さなタブレットのものがよくありますが、口臭が激しい時に使うと余計に異様なニオイになることがあります。
あれは、口臭対策ではなくて、スッキリするためのものなので、エチケットに配慮したタブレットを使用するようにしましょう。
唾液アップ成分である、ポリグルタミン酸が配合された、低価格な公式サイトというタブレットがおすすめです。
タブレットでお口が刺激されることで唾液量もアップし、さらに唾液量アップ成分、そして、その他の口臭ケア成分が配合されている、口臭対策のためのタブレットです。
口呼吸が原因
口呼吸が原因で口臭が発生してしまっている人も多くいます。
気がついたら口が空いている。
そんな人は要注意かもしれません。
口呼吸をすると、口の中が乾燥してしまい、それが口臭の原因になります。
唾液には、口の中の殺菌や消毒をする役割がありますが、口呼吸をすることによって唾液が少なくなり、本来の唾液の機能が発揮されずに、細菌が繁殖することによって口臭につながります。
口呼吸を防ぐには、お口周りの筋肉を鍛える方法と、鼻呼吸を習慣づける方法です。
「あいうべ」体操
口呼吸を改善するために良いのは、お口周りの筋肉を鍛えること。
その鍛える方法が「あいうべ」体操です。
あいうベーと口をしっかりと動かす体操なのですが、動画で見た方が早いと思います。
動画は、口腔ケアチャンネルさんによるものです。
睡眠時に鼻呼吸を癖づける
てっとり早いのが、睡眠時に口呼吸のクセをつける方法。
いびき防止のために販売されているテープで口を塞ぐことで、鼻呼吸の癖がつきます。
間違っても鼻づまりしている時は使わないようにしましょう。
また、テープも手軽で良いのですが、歯医者さんに行って口臭対策をするのであれば、マウスピースを作ってもらうのが一番良い方法です。
マウスピースは、無呼吸症候群や、歯ぎしりによる歯のすり減り防止、いびきの改善など、様々な治療に用いられます。
歯医者さんで型取りをしてもらって作るのが一番安心ですが、最近は自分でマウスピースを作ることができるキットなども販売されていますので、試しに作って使ってみるのも一つの手です。
マウスピースを口臭予防に使う時の注意点
マウスピースを寝る時に使う時は、しっかりと歯磨きをして、口の中が綺麗な状態で使いましょう。
口の中が汚れいている状態でマウスピースをしてしまうと、虫歯などの原因になってしまい逆効果です。
また、使用後はしっかりと消毒をするなど、お手入れを怠らないようにしましょう。
マウスピースは、どうしても違和感のあるものです。
違和感があって気持ち悪くても、寝る時だけ、と割り切って、続けて使うようにしましょう。
口呼吸ができるようになっても、歯ぎしりで歯を痛めてしまうことを予防できたりと、メリットの多いのがマウスピースです。
ぜひ使い続けてみてください。
起きている時は、テープタイプのもので、眠る時はマウスピースで、と使い分けて、口呼吸による口臭対策を検討してみてください。
口臭の原因は、ご自身でチェック・対策ができるものと、歯医者さんに頼った方が良いものとふた通りあります。
ご自身の口臭の原因をつきとめ、口臭対策をしましょう。